大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和40年(オ)1479号 判決 1968年6月21日

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人木下清一郎、同福岡彰郎、同市原邦夫の上告理由第一点および第三点について。

原審が本件土地のうち道路敷地四六七坪九三はすべて統制存続地とすべきでなく、本件土地のうち建物敷地一六四八坪四六が統制存続地七九二坪八〇と統制撤廃地八五五坪六六とに区分されるのに応じて、前記道路敷地も同一の割合で統制存続地と統制撤廃地とに按分さるべきであるとした判断は、被上告人と上告会社との間における本件土地の賃貸借成立の経緯、上告会社による本件土地の管理・使用の経過その他、本件土地の使用・占有について原審の認定した諸事情のもとにおいては、正当として是認することができ、原判決には所論の違法は認められない。

論旨のうち、前記道路敷地を統制存続地と撤廃地とに区分すべきことを前提として、「統制撤廃地の地先道路敷地を統制撤廃地とすることは、対岸の土地が統制撤廃地であれば一応妥当としても、対岸の土地が統制適用地であれば、道路の中央線までが統制撤廃地、中央線から先は統制適用地であつて、比率計算は妥当を欠く」とする部分があるが、原審認定の現地の状況(甲一二号証参照)に照らして、前記区分の基準となりえないことが明らかであり、その余の論旨はすべて独自の見解であつて、採用できない。

同第二点について。

原審がその認定の事実関係のもとにおいて、所論一三三二万二八一二円の供託につき一部弁済の効力を否定し、所論一三万四二〇六円の受領によつても右供託金一三三二万二八一二円につき一部弁済の効力を生ずることにはならないとした判断は、正当として是認しうる。原判決に所論の違法はなく、論旨は採用できない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 奥野健一 裁判官 草鹿浅之介 裁判官 城戸芳彦 裁判官 石田和外)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例